M&A

SES(システムエンジニアリングサービス)クライアントに技術者を派遣する事業の売却・M&A事例、頻繁に買収している会社10事例

1.はじめに

自ら会社を興し経営したSES事業を後継者不足や技術者不足、事業の展開継続が小規模のために難しい場合や他業種を開始するなどの理由で廃業にしようと考える方もいます。
ですがそれは必ずしも最善の選択とは言えません。

廃業してしまうとこれまでかかった資金の回収ができず、従業員や取引先への迷惑がかかるのもそうですが、今SES業界では人材不足が叫ばれており、今後も技術者の確保が課題となっている企業が多い業界となっております。

人材採用時にかかる手間やリスク、コストをかけたくない企業も多く、M&Aの買い手にとってはシステムなどの内製化を行い、技術開発にかかる時間や費用を減らすことができるチャンスです。
そのためSES事業は引く手あまたとなっています。

こちらの記事ではSES事業の売却やM&Aの事例、頻繁に買収している会社の事例を10例取り上げて紹介します。
M&Aを頻繁に行っている企業、もしくは考えている企業はM&A時に提案される条件が良い場合が多いです。

M&A先の決断に迷われた方は以下の10社、10例をぜひ参考にしてください。
この記事がM&Aをする際の決断に迷われた皆様の一助になれば幸いです。

 (1)ナレッジスイート株式会社

2006年に設立した会社です。 テレワークや情報セキュリティに力を入れている企業で、Knowledge Suiteという純国産クラウド型統合ビジネスアプリケーションやVCRMというオンライン営業ツール、GEOCRMという見込み顧客育成を目的とするクラウドサービス、ROBOT IDというセキュリティサービス、組織編成のためのShelterサービス、求人ページの作成ツールであるラクリエなどのサービスを提供しています。

システムエンジニアリングサービスを提供するビクタス株式会社とSES企業である株式会社フジソフトサービスを2018年にM&Aしました。
クラウドソリューション事業とシステムエンジニアリング事業を展開しており、M&Aによる人材の確保を検討している企業です。

 (2)株式会社ブレインパッド

2004年の創業以来ビックデータを活用した企業へのマーケティングサービスの提供やツールの紹介を行っている会社です。

ニュースアプリ「Mynd」を提供しているMynd株式会社とのM&Aを果たしました。
事業の成長を加速させるために周辺領域を手掛ける企業と一緒にスピーディに事業の裾野を広げることが必要だと考えているようです。

2020年6月期からの中期経営計画でデータを用いたサービスの拡大を図るために必要となる人材を獲得することを目指し、M&Aを行うことによって人材を確保するとしています。

 (3)株式会社ビジネスブレイン太田昭和(BBS)

創業1967年、コンサルティング事業を中心にシステム開発事業、BPO事業、会計システムを扱っている会社です。売り上げ規模300億円を達成するために積極的にM&Aを展開しています。

人事管理コンサルティング等のBPO事業を行う株式会社BBSアウトソーシングサービスを2016年に経営統合し、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなど各種ペイメントカードのコンサルタント企業である日本ペイメント・テクノロジー株式会社のM&Aを2018年に果たしました。

これからの事業戦略にコンサルティング事業の強化とマネージメントサービス事業の拡大を挙げています。

(4)株式会社エアトリ(旧株式会社エボラブルアジア)

2007年に創業した会社です。人の移動の加速化を目的とする特にアジアを中心としたオンライン旅行事業や海外でのIT開発事業を展開しています。

各会社の航空券の値段を比較するサービスを提供している企業です。ツアー企画等の提案や現地でのサポートするサービスを行う株式会社セブンフォーセブンエンタープライズを2019年に、国内ホテル・旅館の予約サイトである株式会社らくだ倶楽部とキャンピングカー事業を行う株式会社エルモンテRVジャパンの2社を2016年にM&Aしています。

今後も開発の基盤を拡大するため技術力のある人材を確保しようとSESの買収に乗り出す可能性が高いです。

 (5)株式会社長大

1968年に設立した会社です。交通インフラの建設を中心に総合経営コンサルタントとして陸、海の交通インフラ、水道や電力などのライフライン、公共施設などを対象に建設から管理までを事業にしています。

2011年には土地・地質調査の分野のコンサルタントを行う基地地盤コンサルタンツ株式会社と、2010年には教育施設などに実績のある株式会社アルコムとM&Aを果たしました。
長大は情報システムの強化を目的に50人程度を要するシステム会社を対象に買収もしくは出資を検討しているようです。

M&A先に株式会社長大を検討する際、建設業界に詳しくなくても案件に携わりながら習得していけるので自社社員が未経験でも問題ないようです。

 (6)株式会社夢真ホールディングス

1976年に設立した会社です。建設技術者派遣事業、エンジニア派遣事業、人材紹介業等の事業を行っています。

2019年には社会人向けのプログラミング学習サービスである株式会社侍、ITエンジニアのへ兼サービスである株式会社インフォメーションポートの二社を、2018年には建機や液晶分野に精通していて2D、3DACADを使うことのできる三立機械設計株式会社とIT機器のレンタル及びITエンジニア派遣事業を展開するネプラス株式会社の二社とのM&Aに成功しました。

オリンピックの開催による建設需要やIT技術者のニーズに応えるため積極的に人材を獲得しています。
サービスの成長のために建設技術者やエンジニアの人材派遣の会社を積極的に行っていて、今後もM&Aを行う可能性が高いです。

 (7)セグエグループ株式会社

1995年設立のジェイス・コミュニケーション株式会社を母体に5社の企業グループとして2014年に誕生しました。2016年にJASDAQへ上場し、2018年には東証二部上場を果たした企業です。

セキュリティとITインフラを専門としていて、SCVXというアンチウイルスソフトの開発やネットワーク周辺機器、ソリューションサービス等を取り扱っています。
欧米の有力メーカーとの契約で付加価値代理店として活動するとともに自社製品の開発も行っています。

ネットワーク機器やOA機器の販売を九州地方、中国地区で展開している株式会社アステムや認証に特化したセキュリティ製品の開発、販売を行うファルコンシステムコンサルティング株式会社とのM&Aを果たしました。

他にもエムワイ・ワークステーション株式会社の子会社化など大きく飛躍するためにM&Aによる人材の確保へ注力しています。

 (8)株式会社デジタルフォルン(旧株式会社大洋システムテクノロジー)

1961年にプリント設計基盤設計から始まったこの会社は医療、医薬、情報通信、介護ソリューション等の分野を強みとしハード、ソフトの設計、開発、製品化や運用、ビジネスコンサルティングまで幅広いサービスの提供を行っています。

M&Aに積極的な姿勢を見せており、特にボイスコンピューティング事業に関する先端技術を有する企業の買収を検討しているそうです。ボイスコンピューティング関連の技術を持った企業を対象としてSES事業の買収に踏み切ると予想されます。

 (9)株式会社SHIFT

2005年に設立した会社です。ソフトフェアの品質保証、テストの第三者検証を事業としている専門企業で品質保証などのコンサルティング自動テストのためのスクリプト作成業務を中心に行っています。

顧客は金融企業からWebサービス運営会社など多岐にわたっています。2019年にはWeb制作会社である株式会社さうなしとのM&Aを果たしました。
自グループ全体の技術力向上やシステム開発プロジェクトに関する情報や知見、サービス領域の拡大と高付加価値化を目的にエンジニアのスキルや待遇などのデータを持った企業のM&Aを進めています。

 (10)株式会社オレンジアーチ

2008年に設立した会社です。
自治体向けにシステム開発・業務アプリケーション開発・融資あっせんや都市銀行向けに基盤構築やインフラ事業、さらにソリューションだとPepperの派遣やスマートフォンのセキュリティ事業、エンベデットライブラリ当のAI事業、データ管理など幅広い事業を展開しています。

オレンジアーチは拡大する受託開発ニーズに応えていくためのリソースの補充を最大の課題としており、各種システム、業務アプリケーション等の受託開発、人材派遣業、SES事業等の買収を検討しています。

 2.終わりに

 (1)M&Aについて迷われている経営者の方へ

 ここまでの内容のとおりSES事業のM&Aを望む企業は多く、これまで培ってきた技術や抱えている人材をM&Aで活用せずに廃業するのは得策とは言えません。
従業員を解雇しなくてはなりませんし、サービスを提供してきた取引先にも迷惑が掛かってしまいます。M&Aによる事業の継続はこれらの問題を解決することができます。
 M&Aも活発に行われている会社が一番好条件を引き出しやすく、上に挙げた株式会社長大や株式会社オレンジアーチのように最新技術や専門的なプログラミング言語、専門技術や業界知識が求められているわけではありません。
 まずはお気軽にM&Aについての相談を金融機関や公的機関、M&A仲介業者やマッチングサイト、そしてM&A取り扱い士業にされてみるのはいかがでしょうか。

(2)SES事業等IT領域のM&Aを検討しているが相談先の見つからない経営者の方へ

パラダイムシフトはIT領域のM&Aにも精通し、様々な会社のM&Aをサポートしてきました。
M&Aの検討をしているけれど不安があるためになかなか着手できない中小企業の経営者の方は是非パラダイムシフトにご相談ください。
パラダイムシフトが行ったSES事業のM&Aについて、事例の詳細は以下のページにまとまっておりますので検討されている方は是非ご一読ください。

▼M&A事例紹介:https://paradigm-shift.co.jp/services/case_list

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