# | 譲渡会社 | 譲受会社 |
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業種 | メディア運営企業 | Webマーケティング企業 |
種別 | 未上場 | 東証一部上場 |
事業の概要
セルサイド企業は、メディア運営・サイトM&A・インターネット関連サービスを中心に事業を展開する企業です。
バイサイド企業は、ウェブマーケティング事業やメディア運営事業を行う東証一部上場企業です。
M&Aに至る経緯
セルサイドはスマートフォンに関する運営メディアを売却することで、他の運営メディアへの注力と投資資金を確保したいご意向をお持ちでした。その中で、バイサイド候補企業の選定からアプローチ、クロージングまでを弊社にご依頼頂いたことから、本件がスタートしました。
弊社は、セルサイドのご意向を確認しながら、当該メディアに興味を持つ可能性がある企業にアプローチを行い、スマホ事業を取り扱う企業やメディア運営企業との引き合わせを実施しました。その中で、本件バイサイドである東証1部上場企業のウェブマーケティング会社との引き合わせが実現しました。
バイサイドは成長戦略を描く中で積極的なM&A方針を持っており、マーケティングに繋がるデータを獲得できる、既存事業とのシナジーを見込むことができる企業/事業の買収を検討していました。そのため、バイサイド企業は、広告の配信先として当該メディアの譲受を検討し始め、セルサイドメディアが保持するユーザーデータが既存事業とのシナジーを見込むことができる点や当該メディアの成長を自社で加速させることが可能であることなどを考慮し、具体的な譲渡に向けて話を進めることをご決定されました。
交渉の過程
本件の交渉では、交渉の初期段階でバイサイドからセルサイドが納得する譲渡金額のLOI(基本合意書)を提示されたため、当初より双方が譲渡に向けて前向きな姿勢で交渉が進みました。その後打ち合わせを複数回重ねる中で、当該メディアの基礎情報である記事数やPV、PLなどの情報共有や、クラウドソーシングサイトやCMSのアカウント引き継ぎといった運営体制についての協議が行われ交渉が進んでいきました。
交渉の難点
本件の交渉における難点はセルサイドからバイサイドへの運営体制の移管でした。
特に最大のポイントは、本件メディアの運営が特定の運営者に大きく依存していた点にあり、当該運営者が本件メディア譲渡のキーマンとなりました。メディア譲渡に伴い当該運営者もバイサイドへと移動してもらえるのか否か、また譲渡後もメディアを伸ばすにあたり、当該運営者によるコミットメントをどれほど見込むことが出来るのか(バイサイドが望む程度の運営を継続してもらえるのか)という点で、調整が難航しました。
克服
弊社として、キーマンである当該運営者へのフォローが本件において重要なポイントであると認識しており、譲渡後のメディア運営環境について説明を行うなど繊細なフォローを続けながら、当該運営者への交渉を進めてまいりました。また、従来の運営体制をお聞きし、当該運営者が譲渡後にどの様な運営環境を望むをヒアリングして、バイサイドにその実現を促しました。
結果として、キーマンである当該運営者はバイサイドが求める雇用条件(稼働日数等)を満たす形で譲渡後も引き続き本件メディア運営に残ることとなり、メディアの譲渡に向けての交渉をスムーズに進められるようになりました。
成約
最終的な譲渡金額については、当初バイサイドが提示した金額で最終的に合意を得ることができました。最終段階の契約面で双方をサポートしつつ、事業譲渡契約の形でクロージングしました。当該メディアの譲渡のご相談を頂いてから約2ヶ月での成約と、スピード感のあるご成約を頂くことができた案件でございました。
弊社では株式の譲渡や組織再編以外にも、メディアサイトの譲渡のご相談も多く頂いております。メディアサイトなどの事業譲渡では、事業運営におけるキーマンが譲渡に伴って移動することが可能であるかという点が、重要なポイントとなります。弊社では、本件のようにキーマンとなる方が、移動に際して労働環境や感情面で抱かれる不安や懸念点についても丁寧にフォローさせて頂いております。
弊社はIT業界特化型M&Aアドバイザリーとして、メディアサイトやシステムの譲渡のご相談も承っておりますので、譲渡をお考えの方は一度ご相談頂けますと幸いです。