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ASPとは - webサービス用語解説集

1. ASPとは

ASPとは、アフィリエイトサービスプロバイダ(Affiliate Service Provider)の略称で、広告主とアフィリエイターとの間を取り持つ広告代理サービス(あるいは、その事業者)のことをいいます。

広告主はネット上に広告を出稿して自社商材を販売したいと欲する企業であり、アフィリエイターは広告を載せて広告収入を得たいとするアフィリエイトサイトの運営者(ブロガー等)のことです。 広告主とアフィリエイターは、ともにその数が膨大であるため、広告主とアフィリエイターとが逐一直接契約を交わすことは困難です。

そこで、広告主およびアフィリエイターの間を取り持つ仲介役としてASPが登場します。

2. ASPの役割とメリット

本来、広告主は出稿先、すなわち自社商材の広告を載せてくれるアフィリエイトサイト、載せるにふさわしいアフィリエイトサイトを探さなければなりません。他方アフィリエイターも、自分のサイトに広告を載せてもよいという広告主を探さなければなりません。

また、広告主および出稿先が見つかったとしても、次は、広告費の支払い等についての諸条件を取り決めなければなりません。

広告を出稿したいとする企業も、広告を掲載したいとするアフィリエイターも、その数は極めて膨大です。ゆえに相手方を探したり合意を形成したりというプロセスを逐一行なっていては、あまりに煩雑であり現実的ではありません。

ASPは、広告主と出稿先の相手方探し(マッチング)、および報酬条件の策定を行う仲介役です。ASPが仲介することによって、広告主とアフィリエイターとが容易に広告出稿・報酬獲得できるようになります。

3. ASP利用の仕組み

では、ASPがどのようにして広告主とアフィリエイトサイト(アフィリエイター)とを仲介するのか、その流れを以下詳述します。

(1) 広告主がASPに依頼

自社商品の広告をネット上に出稿したい企業(広告主)が、広告を載せてくれるサイトを探すようASPに依頼します。実際にはASPは、広告主とアフィリエイターとをつなぐサービスサイト(多数の広告主とアフィリエイターがそれぞれ登録をし提携できる、マッチングサイトのようなもの)を運営しており、広告主がそのサービスサイトにクライアントとして登録する、というのが現実の動きにはなります。

(2) ASPがアフィリエイターに広告掲載依頼

ASPが、アフィリエイトサイトを運営しているアフィリエイター(ブロガー)に、広告主の広告を掲載してもらうよう依頼します。実際には、ASPの運営するサービスサイトにアフィリエイターが登録をし、自分のサイトに載せたい広告を探すというのが一般的です。

(3) アフィリエイトサイトに広告掲載

その後、アフィリエイターが自サイトに広告主の広告を貼る、あるいは広告主の商品を紹介する記事を作成します。

なお、自サイトに広告掲載する際には、広告を載せることを広告主が承認してくれるかどうかの審査(提携審査と呼ばれる)があることが通例です。審査基準は公表はされておらず、審査の厳しさはASPによって差があります。一般的には、記事数や記事内容、文字数、更新頻度、運営者情報の明示、などが審査の基準であるといわれています。

(4) 報酬の支払い

まず、広告主がASPに広告費を支払います。その後、ASPからアフィリエイターに対して、広告費の中から手数料を引いた金額が報酬として支払われます。報酬の発生条件や報酬金額の算定方法などといった諸条件を、広告主とアフィリエイターとの間で直接に逐一取り決めるのは非常に困難かつ煩雑です。ゆえに、広告主とアフィリエイターとの間のルールを予め策定しておくというASPの仲介に意義があるといえます。

4. 報酬発生条件の類型

アフィリエイト報酬の発生条件はASPによって異なり、概ね以下の3つの類型に分類できます。

(1) 成果報酬型

アフィリエイトサイトの閲覧者が、アフィリエイトサイトに貼られているアフィリエイト広告を通じて、広告主の商品を購入したり広告主のサービスに申し込んだ際に、その売上金額の数%が報酬としてアフィリエイターに支払われます 。

アフィリエイターに支払われる報酬単価は、他の類型よりも比較的多いのですが、サイト閲覧者が購入や申し込みといった行動を起こさなければ成果が出なかったということになり、報酬は全く得られません。

(2) クリック報酬型

アフィリエイトサイトの閲覧者が、アフィリエイトサイトに貼られているアフィリエイト広告をクリックするだけで、報酬が発生します。成果報酬型とは異なり、広告をクリックしてもらうだけで報酬が発生するため、アフィリエイト初心者にとってはハードルが低く気軽に始められる反面、報酬単価が低いというデメリットもあります。報酬額は1クリック0.1〜10数円などといわれています。

(3) 表示報酬型(インプレッション保証型)

アフィリエイトサイト閲覧者がサイトを開き、広告が表示されただけで報酬が発生する類型です。広告に対して商品購入やクリックといったなんらかのアクションを閲覧者に起こしてもらう必要がなく、報酬条件のハードルが極めて低い類型といえます。その反面、報酬単価はクリック報酬型よりもさらに低く、数百PVで1円などといわれています。ゆえに、アクセス数がかなり多いサイトでなければ報酬効率は悪く、この表示報酬型を主に利用しているのは大手ポータルサイトや、いわゆる「まとめサイト」などになります。

5. ASPの代表例

ASPの例は非常に多数に及びますが、ここでは誰もが目にしたことがあるであろう代表的なものを取り上げます。

(1) アマゾンアソシエイト

アマゾンアソシエイト(Amazon associate)は、大手ECサイトのアマゾンが行なっている成果報酬型のASPです。

アフィリエイトサイトに貼った広告を通じて商品が購入されれば、報酬(アマゾンアソシエイトでは「紹介料」と呼ばれる)が支払われます。広告を貼るスペースさえあればよく、アフィリエイトブログだけでなくアプリ等でもアマゾンアソシエイトに参加可能となっています。

紹介料の利率は商品カテゴリーによって異なり、例えば、家電は売上金額の2%、Kindle本は売上金額の8%が紹介料として支払われます(紹介利率は随時更新される)。

アマゾンアソシエイトの利点は最大規模の品揃えを具備している点にあり、ニッチなジャンルに合わせたアフィリエイトブログの記事を作成して読者の購買意欲に働きかけることもできます。

一方で、アマゾンアソシエイトは成果報酬型のASPとしては利率が低めであり、また、参加するための審査が少々厳しいともいわれています。

(2) グーグルアドセンス

Google社が提供しているクリック報酬型のASPです。

扱う広告のジャンルが極めて多く、また、広告を貼るサイトに適した広告をグーグルが自動算出して掲載する(広告を貼るサイト内のキーワードを自動抽出し、サイト閲覧者の嗜好性に合わせた広告が自動的に掲載される、コンテンツ連動型広告と呼ばれるシステム)といった特徴を有します。

さらに、1クリック平均20〜30円の報酬が発生するといわれ、他の一般的なクリック報酬型よりも非常に高い収益性を持ちます。

他方で、グーグルアドセンスに参加登録するための審査基準は厳しく設定されており、禁止コンテンツも多数定められています


▼参考 :グーグルアドセンスの禁止コンテンツ

https://support.google.com/adsense/answer/1348688?hl=ja&ref_topic=1271507&visit_id=1-636621906638344473-3013906677&rd=1



6. 用語の混同に注意

「ASP」と略称されるものとして、アフィリエイトサービスプロバイダのほか、

アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)や、

アクティブサーバーページ(Active Server Pages)といったものがあります。

アプリケーションサービスプロバイダとは、インターネット経由でソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供するサービスや、その提供事業者のことをいいます。

アクティブサーバーページとは、マイクロソフトが開発したウェブページを動的に作成する技術のことをいいます。

本稿で扱っているアフィリエイトサービスプロバイダも含め、これらは皆ASPと略されますが、全くの別物のため混同に注意しましょう。

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