デューデリジェンス

マネジメントインタビュー

1. マネジメントインタビューとは

マネジメントインタビューとは、M&Aの対象企業の経営陣やキーマンとなる従業員への個別インタビューを指します。

M&AにおけるビジネスDDの一環として、行われることが多くあります。

「マネジメント」という名前は付いているものの、経営者や役員だけでなく、様々な役職の従業員を対象として、インタビューを行う場合もあります。

2. マネジメントインタビューのねらい

マネジメントインタビューは、M&Aにおいて極めて重要な事項となります。

なぜならば、通常DD(デューディリジェンス)は、契約書や帳簿などの書類に基づいて行われることがほとんどです。しかし、ビジネスDDでは、特にM&Aによるシナジーの調査やPMIの方針を考える必要があるため、書類に現れにくい定性的な情報を的確に抑えることが重要となります。

この観点からすると、マネジメントインタビューには、インタビューを通じて、現経営者のリーダーシップ、経営能力、人柄、ビジョンの有無、事業に対するコミットや熱意の強さといった定性的な評価を行うことができるといった長所があります。

さらに、マネジメントインタビューを、M&A対象の企業の経営者や役員だけでなく、30歳代や40歳代などの若手社員や高い役職にない社員に対しても行うことにより、会社組織や事業について建設的な意見を持っているものの、従来の体制下では埋もれていたような隠れた優秀社員を発見することができる場合があります。このような優秀な社員が活躍できる場を整えることで、M&A後に買収対象企業が急成長するという場合があります。

3. マネジメントインタビューの事前準備

このようなM&Aにおいて重要なマネジメントインタビューが成功するか否かは、事前の準備を綿密に行うことができるかによって決まります。

マネジメントインタビューを成功させるために重要な事項は、以下のようなものが考えられます。

(1) 資料の読み込み

上記の通り、M&Aにおけるマネジメントインタビューは、書類には現れてこないような定性的な情報を取得する場であるため、資料を見れば分かることは質問せず、マネジメントインタビューの時間を有効に使うということが重要になります。

そのため、事前に受領している資料は、十分に読み込み、資料からでは十分に把握できない事項をマネジメントインタビューで聞けるよう整理しておくことが有効でしょう。

(2) 具体的な話を行う

マネジメントインタビューは、定性的な情報を得る場ではありますが、質問が抽象的で漠然としたものになってしまうと、回答も漠然としたものとなりがちです。そのため、マネジメントインタビューにおける質問は、具体的な話ができるレベルまでブレイクダウンしておくことが重要であり、必要に応じて、図や表を使って分かりやすく工夫することも有効です。

(3) 話しやすい雰囲気づくり

M&Aの買収対象会社の社員は、マネジメントインタビューについて回答する法的義務を負っているわけではなく、社員によってはM&Aやマネジメントインタビューに対して協力的ではないケースも考えられます。

そのため、有効なマネジメントインタビューを行うためには、マネジメントインタビューの前から、M&Aの対象会社との良好な関係を構築し、マネジメントインタビュー当日では適度に雑談を交えるなどしてアイスブレイクを行い、M&A対象企業の社員がマネジメントインタビューに応じやすい環境を作ることが重要となります。

(4) 相手の属性に応じて質問方法を変える

マネジメントインタビューにおける質問の方法としては、オープンクエスチョンクローズドクエスチョンがあります。

・オープンクエスチョン

オープンクエスチョンは、相手の回答の余地の広い質問方法で、5W1Hに表されるような質問方法を取ります。

例えば「なぜこの事業を始めようと思ったのですか?」や「今後はどのように事業を拡大していくお考えですか?」のような質問となります。

・クローズドクエスチョン

クローズドクエスチョンは、回答が「Yes/No」に限定されるような質問となります。

例えば、「現在新たな事業を開始する計画はありますか?」や「帳簿に記載されていない資産や債務はありますか?」のような質問となります。

一般に、オープンクエスチョンは、相手の回答の余地が広いため、話好きな方にこのような方法の質問を行うと、回答者の独壇場となってしまい、質問者側がマネジメントインタビューの主導権を握れず、本来聞こうと思っていた質問事項を聞く時間がなくなってしまうというリスクがあります。

一方で、無口な方にクローズドクエスチョンを行なってしまうと、まさに「Yes/No」以外の答えが返ってこず、十分な回答を得られないというリスクがあります。

そのため、マネジメントインタビューでは、回答者の性格をよく考えながら、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを上手く使い分けて質問することが必要でしょう。

4. マネジメントインタビューで聞くべき事項

マネジメントインタビューで確認すべき事項は、M&Aによって様々であり、あまり画一的な質問事項に終始すべきではありませんが、主な質問事項としては下記のようなものがあります。

・M&A対象企業の経緯や歴史(アイスブレイクとしても有効です)

・近年の市場動向、競合他社の強み弱み

・今後の業界における成功要因

・M&A対象会社の強み弱み、独自性のある経営資源の有無、それを踏まえた経営戦略

・懸念される経営上の最大のリスク

・M&A対象会社や担当事業について経営上の課題

・M&A対象会社の課題を克服するために必要な事項、それを障害する事項

・M&A対象会社の株主の属性、関係

・M&A対象会社と大口販売先および大口仕入先との関係・取引状況

・M&A対象会社の簿外債務(債務保証、訴訟、先物売買契約など)の有無

・今回のM&Aを決断した背景

・M&A後に期待すること

5. まとめ

このようにM&Aにおいてマネジメントインタビューは、M&Aの成否を左右する重要なプロセスとなります。

そのため、有効なマネジメントインタビューができるように事前に入念な事前準備を行っておくことが、マネジメントインタビュー、ひいてはM&A成功のカギとなるでしょう。

▼参考記事:M&Aを成功に導くマネジメントインタビューのポイントを解説

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