M&A実務

PMIとは - M&A実務用語解説集

1. PMIとは

PMIとは、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A成立後の統合プロセスのことをいいます。

新しい組織体制の下で当初企図した経営統合によるシナジーを具現化するため、企業価値の向上と長期的成長を支えるマネジメントの仕組みを構築、推進するプロセスの全体を指します。

M&Aが企業活動にもたらす成果の度合いは、このPMIの巧拙によって決まるといわれます。M&Aのシナジー効果を確実に早期に得るためには、M&A当事者である両社の戦略・販売体制・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させることが必要です。M&Aの検討段階において計画したシナジー効果を実現する上でも期限を区切った目標の設定と、その実現に向けての進捗管理を行うことが有効とされています。

2. PMIのプロセス

基本的なPMIの実務フローとしては、以下の4点に分けられます。

(1) 統合方針の決定

被買収企業をどの程度の早さで、どのような手段・スキームで買収企業に統合していくかを決定します。

(2) 統合計画の策定

クロージング後3ヶ月~6ヶ月以内に対処すべき短期的な統合課題(管理面・事業面)を実行計画に落し込みます。

(3) 中長期事業計画の策定

M&Aでは中長期的な経営効果が求められるため、中長期事業計画の策定により課題を整理します(現状分析・ビジョン策定など)。

(4) 統合実施・効果検証

統合計画あるいは中長期事業計画に沿って、経営統合作業を実施します。

詳細なアクションプランに基づいて進捗状況を管理するとともに、シナジー効果の実現など定量的な目標はもちろん、定性的な目標に対しても管理指標(KPI)を設定し、定期的に達成状況をモニタリングしていくことが重要です。

3. PMIを成功させるポイント

PMIを成功させるポイントは、単にM&A当事者の経営手法、管理手法をどちらか一方にあわせて企業同士を同質化し、事業活動を標準化すればよいということではなく、企業価値をあげるためにどの領域に対する変革を重点的に行うか、またその方向性とスピード、その結果の将来像といった経営ビジョンについて、譲渡側及び譲受側双方の経営幹部同士が十分なコミュニケーションをとり、認識を共有しておくことが重要です。

また、PMIを進めていくスピードが速いと、現場の従業員がついていけず、労働に対するモチベーションや現場のオペレーションに混乱が生じることも想定されます。したがって、統合に向けた変革の必要性について、現場の従業員が納得できるようにコミュニケーションを取っておくことが必要であり、経営トップや経営幹部の強力なリーダーシップとマネジメントが不可欠といえます。

そして、PMIを実際に進めていく中で、人の問題以外でも様々な想定外のことが生じえます。デューデリジェンス情報は完全なものとは限らないことを前提として、想定外の課題にぶつかった際には元の計画に拘泥せず柔軟に対応し、対処すべき課題に優先順位をつけながら進めていくことが成功のポイントとなります。

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