M&A実務

ロングリストとは - M&A実務用語解説集

1. ロングリストとは

ロングリストとは、M&Aを検討している企業に対して、一定の基準で選定した相手方となる候補先企業(譲渡企業から見ると買い手候補先企業、譲受企業から見ると売り手候補先企業)をリストアップしたものをいいます。

2. ロングリストの作成

リストアップにおけるスクリーニングは、事業内容、事業規模、買収(譲渡)金額、買収意欲、地理的要因などを基準として行われますが、ロングリストを作成する段階では、比較的緩やかな基準で多めにリストアップします。独自のデータベースから作成するケースもあれば、信用調査会社等の機関から情報収集する場合もあります。

一般的にはロングリストとして100-200社程度の企業をリストアップし、依頼主とM&Aアドバイザーが打ち合わせをして候補先企業への打診可否や打診の優先順位などを決め、50-60社程度まで絞り込み、ショートリストを作成します。その後、ショートリストにリストアップした候補先企業に対し、依頼者の特徴を企業名等を伏して記載したノンネームシート(事業概要書)を用い、対象企業の買収又は売却の打診を進めていくこととなります。

また、打診の進捗状況などを依頼主に報告する際、ロングリストやショートリストに情報を更新、共有して報告を行うこともあります。

▼参考記事:M&Aに必須のノンネームシートとネームクリアについて解説

3. ロングリスト作成時の注意点

注意点としてあげられるのが、ロングリスト作成時に買収先(売却先)候補を厳格に定義したとしても、必ずしもロングリスト企業の全てが希望条件を充足するわけではなく、実際に作成する段階では玉石混交なのが一般的です。

しかも、一般にロングリスト作成の作業はデータベース等を用いて行われることが多く、データから条件をかけて抽出する作業を経る上で独自のバイアスがかかり、機械的には条件を満たすものの、実質的には対象とならない企業が含まれてしまうことも多くあります。

そのため、データからの抽出後に個別企業の分析をするプロセスを通して、リストに含まれてしまっている対象外となる企業のネガティブな絞り込みを行うことと、データでの絞り込みでは抽出することができなかったが譲受(譲渡)対象となる企業を独自でリストアップしていく作業が重要となってきます。

ロングリスト作成前の段階で希望条件等を明確に定義することができていれば、より精度の高いロングリストを作成することが可能となるため、あらかじめ買収(売却)後の状態を綿密に考慮した上でロングリスト作成に入ることで、よりスピーディーかつ希望条件に適うM&Aを進めていくことが可能となるでしょう。

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