M&A

M&A後のPMIプロセスについて解説

M&Aの真の目的は、経営統合をした後にシナジー効果を得ることにあります。しかし、M&Aの成立に力を入れるあまり、経営統合後のことについておざなりになってしまうケースも残念ながら多いのがM&Aの現状です。

M&AはM&Aを成立をさせることが目的ではなく、あくまで経営統合後にシナジー効果を得ることが目的です。M&Aをした後にしっかりシナジー効果を生み出せるかについては、PMIプロセスをしっかり踏むことが重要です。今回は、M&A後のPMIプロセスについて分かりやすく説明していきます。

▼M&Aのシナジー効果についての詳細はこちらの記事をご覧ください

「事業承継だけではない、M&Aによる買収のメリット」

1. PMIとは

この章では、PMIについて説明をします。PMIとは、Post Merger Integrationの略語です。

M&AにおけるPMIの意味は、M&A後の経営統合を実行するプロセスのことをいいます。M&Aを行ったことにより期待されるシナジー効果を実際に実行し、M&Aを行ったことによるシナジー効果を最大限に発揮させるためのプロセスです。ゆえにPMIプロセスは、M&Aにおいて極めて重要なプロセスになります。

2. PMIプロセスの重要性

この章では、PMIプロセスの重要性について説明します。PMIプロセスは、M&Aの最大の目的であるシナジー効果を最大限にする非常に重要なものです。しかしM&Aの現場では、PMIプロセスをないがしろにしているケースも散見されます。何故、M&Aの最大の目的であるシナジー効果を最大限にするために必要なプロセスであるPMIプロセスをおざなりにするケースが多いのでしょうか?

それは、M&Aを成立させることに多くの労力を傾けてしまうからです。M&Aの交渉が始まった場合、なんとしてもM&Aを成立させたい気持ちは痛いほど分かります。しかし本来のM&Aの目的はあくまでシナジー効果を生み出すことにあります。M&Aの成立という形に拘ってM&Aの本来の目的について忘れてしまっては本末転倒です。PMIプロセスをおざなりにしてしまっては、仮にM&Aが成立しても当初期待していた効果を得ることは出来ないでしょう。

特にM&Aが成立した直後は、会社は非常に不安定な状態になります。会社組織をしっかり整備しておかないと不備が多発してしまう可能性があります。また統合直後は、従業員同士の軋轢も想定されます。PMIプロセスをおざなりにしてしまうと、シナジー効果が期待できるどころか会社がつぶれてしまう可能性すらあるのです。M&Aの成功のために欠かすことの出来ないPMIプロセスですが、どのように行えばうまくいくのでしょうか?

次の章ではPMIプロセスの進め方について説明をします。

3. PMIプロセスの進め方

この章では、PMIプロセスのポイントについて説明をします。PMIプロセスがM&Aの成功にとって重要といわれても具体的にどのようなことがポイントになるのか分からない方が大半だと思います。この章では、PMIプロセスのポイントについて説明をしていきます。

PMIプロセスのポイントは、

(1) 人事

(2) 業務

(3) インフラ

の3つに分けて考えていく必要があります。

それでは、1つずつ説明していきます。

(1) 人事

PMIプロセスのポイントの1つ目は人事です。

会社は従業員がいなければ始まりません。M&Aの買い手の企業と売り手の企業の間に溝が生まれてしまう可能性も否定できません。買い手の企業と売り手の企業の従業員の間に溝が出来てしまい、派閥などが出来てしまうと、シナジー効果どころではありません。最悪の場合、M&Aに不満を持った優秀な従業員の流出にもつながってしまいます。そのような事態を避けるためにも買い手側と売り手側の経営者や役員は、従業員のレベルに立って企業文化の齟齬や人事面の不平等などをしっかり精査する必要があります。人事や企業文化の精査をしっかり行わないとまず間違いなく様々な問題が起こります。

M&Aの成立後、実際に働くのは従業員、つまり人なのです。人間は感情の生き物です。細心の注意を払って、人事に取り組む必要があるでしょう。M&AにおけるPMIプロセスの中で人事や企業文化の整備は最も重要なことであるといって良いでしょう。

▼参考記事:「人事DD」(M&A用語集)

(2) 業務

PMIプロセスのポイントの2つ目は業務です。

M&Aの最大の目的はシナジー効果を生むことです。つまり現在の業務を更に効率よくまた、拡大するためにM&Aを行うはずです。業務統合がうまくいかなければ、M&Aにおけるシナジー効果は全く生まれなくなってしまいます。同一業種の場合、異業種の統合に比べて、業務統合はスムーズに進むと考えがちです。

確かに異業種同士の統合に比べて業務統合はしやすい環境にあります。しかし同一業種の場合でも営業のやり方やマネジメントの仕方に大きな違いがあるケースがほとんどです。自分の会社では当たり前と思っていたことが他社では全く違うやり方をしていることも決して珍しいことではありません。

M&Aの買い手の会社と売り手の会社で業務推進の齟齬が生じないようにさせるには役員レベルだけでなく現場レベルでのミーティングも重ねることが必須になります。役員だけでなく現場レベルでもミーティングを重ねなければお互いの齟齬が埋まることはありません。何故なら現場レベルでしか知らない様々なルールやノウハウがあるケースが多いからです。また営業だけではなく、総務や法務や財務などのコーポレート業務においても業務の進め方のすり合わせは必要になります。買い手側、売り手側の従業員が統合後もスムーズに業務をすることができる環境づくりは、PMIプロセスの重要なポイントになります。

(3) インフラ

PMIプロセスのポイントの3つ目は、インフラの整備です。

インフラは業務推進を行う上での基盤になります。このインフラですが、会社毎の独自性が出やすい項目になります。給料日や経理のシステム、取引先への支払い方法などは、会社によって大きく違うのが一般的です。M&Aにおいてこのインフラを統合させる作業は非常に大変なことです。特にこれらの業務に携わるコーポレートスタッフの負担は莫大なものになります。過大な負担を避け、従業員同士の不協和音に繋がらないようにすることは、PMIプロセスの重要なポイントになります。

この章では、PMIを成功させるためポイントについて説明をしました。しかしPMIプロセスを成功させるポイントについて理解できても、具体的にPMIプロセスを成功させるための方法について分からなければどうしようもありません。

次の章では、PMIプロセスを成功させるための方法について説明をします。

4. PMIプロセスを成功させるためには

先程の章で、PMIプロセスのポイントについてはご理解頂けたかと思います。この章では、具体的にどのようにすればPMIプロセスを成功させることができるのかについて説明していきます。PMIプロセスを成功させるための主な方法は3つあります。

(1) PMI計画の策定

PMIプロセスを成功させるためのポイントの1つ目は、PMI計画を綿密かつ具体的に作成することです。

PMIプロセスは、M&A成立直後から実行していかなければなりません。PMIプロセスを実行する段階でしっかりとした計画がないと、PMIプロセスはとん挫してしまう可能性があります。M&Aの交渉段階からPMIプロセスの計画を作成しておくことが望ましいでしょう。またPMIプロセスは長期間に及びます。もちろんPMIプロセスを実行している段階で微修正を加えることは出来ます。

しかし、PMIプロセスは実行する段階で長期的かつ綿密、明確な計画がなければおざなりになってしまう可能性が高くなります。具体的な計画がないと実行段階で従業員に明確な指示が出来ないからです。しっかりとしたPMIプロセスの計画を作成することはM&Aに慣れていない会社が行うことは難しいかもしれません。PMIプロセスを成功に導くためにもM&Aの専門家に相談してみても良いかと思います。

(2) 優秀な人材には、適切な職務を与えること

PMIプロセスを成功させるためのポイントの2つ目は、優秀な人材には、適切な職務を与えることです。

PMIプロセスを実行しているときの従業員の負担は非常に大きくなります。何故なら日々の業務をこなしつつPMIプロセスに基づいて新たなルールなどを覚えていく必要があるからです。特に、前の会社のルールで長年仕事をしていた従業員の負担は計り知れません。少しでも従業員の負担を軽くするためにも優秀な人材に関しては、それなりの権限や職責を与えてリーダーシップを取ってもらうことがPMIプロセスの成功に繋がります。指示系統を明確にすることによって従業員の負担を軽くすることが目的です。

もちろん重い職責に付く従業員に関しては、処遇の向上などの対応が必要になります。処遇の向上なしに責任だけ与えてしまうと優秀な社員の離反に繋がってしまうので注意しましょう。優秀な従業員に権限や職責を与え、指示系統を明確にすることは、PMIプロセスを成功させるための大きなポイントになります。

(3) PMIプロセスを行う意味の共有

PMIプロセスを成功させるためのポイントの3つ目は、PMIプロセスを行う意味を役員レベルはもちろんですが従業員レベルにも浸透させる必要があります。

PMIプロセスを行う意味をしっかり共有しないとPMIプロセスをスムーズに進めることは出来ません。スムーズに進めるどころか離反してしまう従業員が現れてしまう可能性すらあります。会議や日々の業務のなかでPMIプロセスについて何度も根気強くしっかり共有させることが重要です。

5. まとめ

今回は、PMIプロセスについて説明をしました。M&Aは成立させることに専ら重点が置かれ、統合後のことについてはおざなりになってしまうケースが意外と多いです。M&Aを検討する際は是非、今回紹介したPMIプロセスをしっかり履行しM&Aの本来の目的であるシナジー効果を最大限にすることを達成して頂ければ幸いです。

▼参考記事:「PMI」(M&A用語集)

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