M&A 事例Our Services

譲渡会社
業種 Eコマース運営企業
種別 未上場
譲受会社
業種 東証一部上場企業
種別 上場

背景

インターネットメディア事業を展開する譲受会社は、以前よりEC事業への新規参入を検討しており、買収による市場参入を検討。検討の過程で、M&A対象の企業を社内で数社リストアップ。対象会社のM&Aに関する意向を探るため、弊社へ譲受会社より依頼が有り、アプローチを開始。

過程

対象会社は、これまで複数の投資会社が出資しており、当時、筆頭株主であった投資会社の株式保有比率は過半数に近い比率を締めていたため、筆頭株主である投資会社へアプローチ。そこで対象会社へ投資したファンドの満期が近づいていることを確認。また、投資会社からも売却に対する意向が確認されたため、譲受会社と対象会社双方の経営者の面談を設定。面談の中で、買収後も事業シナジーが存在することを双方共に確認し、M&Aを進めていくこととなった。スキームとしては、対象会社に投資していた複数の投資会社と、経営陣以外のその他株主より、譲受会社が株式取得を行い子会社化する形でM&Aを実行。譲受会社にとっては、初めてのM&Aとなる案件であった。

関連用語

M&A

M&Aは、英語のMergers and Acquisitionsの略語である。


企業の合併・買収という意味であり、合併に関しては吸収合併や新設合併というスキームがあり、買収においては株式譲渡、新株引受、株式交換などがある。また資本を交えた業務提携を資本業務提携と呼称する。


【譲受企業のメリット】

・企業規模の拡大
譲受企業が同業他社を買収することによって、企業としての売上規模の拡大、また規模の経済によりコストの削減効果を見込むことができる。

・新規事業を素早く行える
会社として新規事業を行いたい場合に、0から人員などを割いて新規事業を行うのではなく、他社を買収、また他社事業を買収することで、ある程度基盤が整った上で、新規事業を展開することができる。
0から立ち上げる場合、大量の時間と費用と労力が必要になる。その中の、時間と労力を短縮するためにM&Aを行うケースが多くある。

・人材の確保
IT業界では特にこの傾向が見受けられる。例えば、エンジニアの採用に苦労している企業が、他社の開発会社・制作会社・SES会社を買うというようなケースである。近年、エンジニアの人材市場は売り手市場であることから、採用活動以外にも、M&Aという選択肢が浮上するようになった。


【譲渡企業のメリット】

・経営疲れからの解放
例えば開発会社・制作会社・SESを行う企業の場合、創業7〜12年、従業員数10名前後、売上1億〜2億である企業だと、売上が跳ねずに悩んでいる経営者が経営疲れとなり、会社の売却、他社の傘下に入ることを検討するケースがある。この時に、M&Aをすることによって経営疲れから脱却することが可能となる。

・資金困難の脱却 
保守運用の仕事を中心に行う開発会社などに見られるケースである。保守運用の仕事を行うと売上は安定する。しかし、保守・運用の仕事ばかりだと面白くないというエンジニアが退職してしまうことがよくある。
従業員の「自社サービスを開発したい」という声を受け入れ、それまで行ってきた保守運用の仕事を断り自社サービスの開発に注力すると、売上が一時的に低下する。その売上の差を社長の個人保証の借入で補うと、借入金が膨張していき、資金困難になる。この時、M&Aをすることで個人保証を外すことができる。

・ノンコア事業の切り離し
企業の中で、利益があまり出ていないものの、社内リソースを何割か投入している事業が存在する場合がある。この時に、当該事業をノンコア化し、M&Aで売却することで社内リソースを本業に注力し、売上、利益の拡大を図ることができる。


株式譲渡

株主が保有する対象会社の株式を対価と引き換えに他社へ譲渡することにより承継させる手法であり、中小企業のM&Aにおいて最も多く採用されている。売り手と買い手との間で株式譲渡契約が締結され、契約に従って買い手が譲渡代金を支払うと同時に売り手が株式を交付する。


対象会社が非上場企業である場合には、株式譲渡は買い手と対象会社の株主との相対取引により実行される。このため対象会社の株主が広く分散している場合、買い手は多くの対象会社株主との間で相対の譲渡取引を実行する必要があり、目標とする株式数(議決権比率)を取得するのが困難となる場合がある。


なお、株式交換では、対象会社の株式を強制的に買い手企業に取得させることができるので、株式譲渡のような困難を避けることができる。


一方で、株式交換には100%子会社化以外の持分割合の選択肢が存在しない。対象会社が上場企業など、金融商品取引法上の有価証券報告書の提出会社であって、買い手が一定割合以上の株式を取得する場合には、後述の株式公開買付け(TOB)規制が適用されることになる。譲渡制限株式の相対取引を例に、株式譲渡に必要な手続は以下の通りとなる。


株式譲渡には、大株主などから直接株式を買い取る相対取引や、上場企業の株式を証券取引所等で買い入れる市場買付け、あるいは不特定多数の株主から公告により株式買付けの申し込みを勧誘して市場外で株式を買い集める公開買付け(TOB)という3つの方法がある


・相対取引

非上場株式の場合は、相対取引しかない。そのため、株主が分散している場合は、いかにして株式を買い集めるかが問題となる。あくまで相対取引であるため、買い取り価格は株主によって異なることもありうるが、個別に交渉していては時間がかかる上、株主間で不満が生じるおそれもあることから、実務上は同一価格で買い集めることが一般的である。


・市場買付け

上場株式であれば、株式市場から株式を買い集めることが可能である。ただし、発行済株式総数および潜在株式総数の合計の5%を超えて取得した場合、その取得の日より5営業日以内に大量保有報告書を管轄の財務局へ提出する必要がある(いわゆる「5%ルール」)。また、その後1%を超える保有割合の変動があった場合には変更報告書の提出が必要となる。このように、市場からの買付けは買付け動向が明らかになってしまうほか、買い集めにより株価が上昇し買収金額が高騰するおそれがあることから、過半数を目指すような場合には選択されることはほとんどない。


・公開買付け(TOB)

公開買付け(TOB)とは、上場会社等(有価証券報告書提出会社)の発行する株式を大量に買い付けることを目的として、不特定多数の株主から公告により買付けの申し込みを勧誘して市場外で株式を買い集める方法である。金融商品取引法では、上場会社等の株式取得について以下の場合に公開買付けによることを強制している。


【株式譲渡のメリット】
株式譲渡は手続が簡便
他のM&Aの手法に比べて手続が簡便です。通常は、株式の売買契約書の作成、株式対価の払込等により手続が完了します。

株式譲渡は法律上及び事実上の制約が少ない
株式譲渡の結果、株主が交替するだけですから、売り手の資産、負債が増減せず、契約関係や行政上の許認可の影響も受けません。
ですから、改めて個別の契約を締結し直したり許認可をとったりする必要はありません。

【株式譲渡のデメリット】
株式譲渡は買収対象を選別できない
買収対象を対象会社の事業のうちの1つに選別することができないので、取引時点で把握していなかった偶発債務の承継を免れることができないというデメリットがあります。

株式譲渡は上場会社の場合に規制あり
上場会社の場合は、TOB(Take Over Bit、公開買付)規制、5%ルール規制、インサイダー取引規制などの規制を受けます。

「TOB規制」とは、会社支配権に影響を与える株式の大量買付が市場外で行われる場合に、一般株主にも譲渡の機会を与えるために公開買付開始公告などにより情報開示をする必要があり、一般株主からの応募に対しては買い受け義務が発生するという規制です。

M&Aの際には、よりスピーディーに進めるために市場外で取引が行われることが多いのですが、市場外では一般株主から把握しにくい取引となるため一般株主を保護する観点からそのような記載が設けられています。

「5%ルール」とは、上場会社の株式を5%超保有する株主(大量保有者)に対し、大量保有報告書を提出させ、また提出後保有割合が1%以上増減するごとに変動報告書を提出させるというルールです。

「インサイダー取引規制」とは、役員など会社関係者がその上場会社等の有価証券を売買しようとする場合に立場上知り得た業務上の重要事実等を公表前や5%ルールによる情報開示前に売買してはならないという規制です。

この会社関係者にはM&Aの交渉者も含まれます。